「つむ」・忘れられた手廻しの紡錘 - Spindle of Japan -
わたしは、機や機道具を見るのが好きなのですが、
そういうモノの面白い点は、地域差が出ている所です。
同じ用具でも、形や大きさが違ったりして、見ていて飽きません。
そのなかでも、ひときわ興味を惹かれるのが、
糸車の陰に隠れてその存在すら忘れてしまわれている紡錘の事なのです・・・。
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【 Photo1:手廻し紡錘(草間の藍甕 工房資料) 】
我が国でも、かつてはこのような手廻しの"つむ"が使われていて、
"てこしろ"、"テシロ木"、"テマワシツモ"などと呼ばれていたそうです。
さて、この日本の手廻し紡錘。
わたしがわかる範囲では、この使い方には三種類の使い方があります。
・膝の上で軸をくるくるっと転がして使う方法。
・ドロップ・スピンドルと同様にして使う方法。
・茶碗を軸受けにしてコマのようにして使う方法。
一見簡単そうなのですが、これらどの方法にしても、
コツがわかるまでには時間がかかりそうに思うし、
スムーズに作業ができるまでにはもっと時間がかかりそうですね。
この写真のモノは山形県で入手したものですが、
使われていた具体的な地域や集落、時代などの背景データが不明のもので、
軸部分の長さが33.5cm、円盤部分が直径8cmと、
見慣れた糸車の紡錘と比べると、かなり大きいものです。
このような大きな紡錘は東北地方に同様のものがある事が知られていますし、
また熊野速玉社(新宮)の御神宝の中にも同様のものが含まれているので、
糸車が普及するまでは、各地で使われていたのだと思いますが、
興味深い点は、このような33.5cmと大きなものの他に、
約24~5cm大の少し小さめのものも存在する点です。
一般に機でも、西日本型、東日本型に分けられるという説もありますから、
それに従えば、この手廻し紡錘の場合も、
西日本型=小ぶりのもの、東日本型=大ぶりのもの、・・・という捉え方もできますが、
果たして、そういう事でいいのかどうかは疑問ですし、
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【 Photo2:手廻し紡錘(草間の藍甕 工房資料) 部分拡大 】
或は、時代によって大小の差異が出ているのかとも思ったのですが、・・・
今のところ、ちゃんと調べられていないので、何とも言えないのですが、
昔の機織りの様子や、製糸(撚糸)の様子を考える上で、大事なものだと思います。
【 Photo3:手廻し紡錘(草間の藍甕 工房資料) 下方から見る 】